混沌私見雑記

音楽やら小説やらアニメやら漫画やらゲームやらロードバイクやら

ドラムほど世間のイメージとは真反対な楽器はない説

こんにちは無職です。ときどきドラムを叩いているタイプの無職です。

タイトルの通りです。

ドラム、あまりにみなさんのイメージとは反対をいっているパートだなと。

ぼくも思っていました。「ドラムはマッチョでなければいけない」「花形の楽器」などと。本当にそんなことはなかった。

ドラムの誤解を、訂正したい。

※この記事はすべて個人の主観だから本当に怒らないでほしい。こういう側面もあるよって話だから……。

 

もくじ

 

①パワーが必要

f:id:ayasumi40:20200303192800j:plain

戦隊モノのイエローから「カレーライスが好き」というステレオタイプなイメージがこびりついて離れないように、ドラマー=筋肉ダルマorデブというイメージの方も多いのではないだろうか。

 デブ、ドラムとキャッチャーとゴールキーパーとチューバやらされがち。

一概には言えないけれど、基本的にドラマーにマッチョな筋肉は必要ない。

ジャンルにもよるけれど、力任せに叩く楽器ではないのだ。

力任せに叩けばたしかにでかい音は出るけれど、それはもはやスポーツ的なアプローチやで。

ドラムはたしかに出せる音量のレンジが広ければ広いほどよい。自分の出せる最大音量が大きければ大きいほどよい。しかしそれは「力任せでなくとも出せる音量」のこと。

ぼくのドラムの先生は細腕で筋肉も体重もないけれどバカでかい音量が出せる。「振り下ろしからヒットまでのスピードさえあれば大きい音は出る」とのこと。あとはどれだけスイートスポットに的確に当てているか、チューニングが適切かどうか、とかいろいろあるのだけど、とにかくパワーで叩くものではないんだな。パワーで叩く人はいるし、それはそれで悪いってわけではないんだけど。

まあでも体重があるとでかい音が出やすいのも事実だけどね。

 

②目立つ・華やか

シンバルがうるさいだけだろ。

お前普段ドラムに着目しているか? ボーカルとギターしか見てなくないか?

ドラムは目立つというよりは「なにをやっているかわかりやすい」だけである。

ドラムは自己主張しすぎないのが大事なのだ。ソロ以外で目立ちたがるドラムは半ば職務放棄といっても過言ではない(もちろんジャンルやプレイスタイルにもよる。畑利樹さんかっこいいよね)。

たしかに吹奏楽やジャズでは一番動きが激しい(わかりやすい)のがドラムなので花形と見られることもなくはないが、ロックバンドだと全員バリバリ動くし、だいたい一番後ろに配置されてボーカルに隠れてよく見えないしマジで目立たない。

なお、ミスはこれでもかというくらい目立つし素人でもわかる。不憫すぎるわ。

 

③ノリと勢いが大事

まあたしかにノリは大事ではある。といってもグルーヴ的な意味での「ノリ」だ。「イケイケGOGO」で叩く楽器ではない。

「速い曲は勢いあるじゃん!」という人もいるかもしれないが、それは速い曲だからです。

ドラムはまずリズムキープが義務(基本的には)。そしてグルーヴ管理が主な仕事。

まずはだれよりも冷静であることが求められる。速い曲や派手なフレーズは特に集中して演奏しますよ。勢いだけではいけない。勢いでいく人や勢いだけでいく人もいますが。

 

④ストレス解消によさそう

本気で言ってんのか?

失礼した。

ドラマーには数えきれないほどのストレス要素がまとわりついているので以下に列挙する。

A.アンサンブルの拠り所なるというプレッシャー

たしかにひとりで好きな勝手になにも気にせずしがらみなく叩く分には楽しい。それはそう。

しかしこれがバンドになると、ライブになると、半端ではないプレッシャーだ。テンポやグルーヴの拠り所にさせられるプレッシャーよ。それがまた魅力でもあるのだが、負荷がすごい。

人に「これからリハーサルなんですよ」と言った時に「じゃあドラム叩いてストレス解消できるね」とか言われると「ちゃいますねん!」とつっこみたくなる。

B.練習しにくい

日本の一般的な住環境考えるとまず生ドラムは無理。電子ドラムもかなり振動が響く。

わざわざスタジオに行かなければならない。金を払わなければならない。この面倒くささよ。まあボーカルもそうだけどさ。

C.身体を壊す

痔と腰痛。

ぼくはどっちもやってます。

D.運搬がダルすぎる

ライブハウスやスタジオには基本的にセットは常設しているけれど、自分の楽器を使おうとするとマジでダルい。ダルすぎてダルビッシュ憂になる。

スネアとペダルだけでもまあまあの重量なのにシンバルも……となると本当にしんどい。

フルセット持ち込みなら車が必須。

E.めちゃくちゃ怒られるし要求される

マジでこれ。

ドラムは他のパートから要求される機会が非常に多い。これが最大のストレスとなる。 

ロッキングオンジャパンに掲載経験のあるバンドで脱退率が一番高いパートはドラムだったという調査結果があるが、これはまあつまりそういうことだろうと非常に納得できる結果だ。

テンポの速い・遅いやグルーヴの動きはバンド全体が影響しあって変容するもの。たしかにドラムの影響力はダントツで大きいのだが、ドラマーだってわざとテンポを揺らしたいわけではない。なのにとりあえずドラムのせいにされたりする(ドラムのせいであることももちろんあります)。

ノリや出音については特にボーカル(あるいはバンドリーダー)とずっと喧嘩しつづけることとなる。「方向性の違いにより脱退」というのはつまりそういうことではないかしら。

 

⑤モテそう

モテません。

 

最後に

以上です。

なんだこのクソ記事は。

ドラムはマゾヒスト向けの楽器です。バンドでドラムがやりたいという人は覚悟したほうがいいでしょう。そしてみなさんバンドのドラマーのことをもっとねぎらってあげてください。作詞作曲ボーカルギターの人も大変ですけど、ドラマーはまた別種のストレスをかかえて生きています。

なんだかネガキャンみたいになりましたがぼくはドラムのことは好きです。バンド内のグルーヴ王になれるというのは他の楽器にはできない魅力でもあります。あとは「それぞれの叩き方やチューニングによって出音やノリがまったく異なる、プレイヤーの個性がとても反映される楽器」というのも大きな魅力ですね。

ドラマーはめちゃくちゃ人口が少ないので重宝されますし、とりあえずバンド組みたいから、とかそういった理由でなるのはありかも……? ひっぱりだこになるがあまり中継ぎ投手並みに酷使されるけども。家で練習もできないけども。ギターやベースと違って独学だと限界があるけども(ドラマーはやっぱりみんなだれかに習っている割合が高いよ)。あとドラマーはある程度絶対に音楽理論をおさえておく必要があるからね。ギターやベースは感覚でやってる人多いけどドラマーはそうはいかないからね。

それではみなさん、素敵な音楽ライフを! ぼくは生まれ変わったらリードギターやりまーす。